加養浩幸の生い立ち(その6)
さて、今日は、加養少年の中学生時代のトランペットの腕についてです。
私が加養少年のトランペットの音を聞いたのは、入学してすぐのこと。つまり加養少年が3年生の4月でした。そのときの音は一生忘れられないと言っても過言ではないでしょう。
私が初めて参加した合奏で演奏した曲は「ロッキーのテーマ」。もちろん冒頭はトランペットから始まります。
「レレーレレレファ(♯)レレレ・・・」と始まったときの感動!!めちゃくちゃかっこいいのです。当時、トランペットの3年生は加養少年を含めて3人。みんな上手だったので、そのロッキーのテーマもバッチリはまっていたのです。トランペットの下のCは鳴りにくく、音程も高くなりやすい、とか、中学生は付点のリズムが上手にできないなど、定説がありますが、そんな定説はもろともせず、吹きまくっていました。
当時、加養少年が使っていたのはヤマハの銀のコルネット。ホルンだった私が、そのロッキーのテーマが始まった瞬間、思わず後ろを振り返り、吹きまくる加養少年の姿は、高いところにそびえるかのようでした。
そして次に合奏した曲が、ビートルズの「ヘイジュード」。この曲がまたトランペットのソロから始まるのです。「レーミーファ(♯)ソラーレードシラソラー・・・・」このフレーズを、加養少年はオクターブ上で吹きはじめたのです。
ということは、ドは高い高いド。つまりHighB♭です。これを楽々と吹く加養少年。「中学生とはこんなにもすごいものか」と、驚愕させられたのを覚えています。
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